貴方の事を奪いに来たの。
「うしっ、揃ったし行くか。」
そう言って皆がぞろぞろと移動し始めたので
あたしはその後ろをついて行く。
部室までそう遠くない道のりを
あたしは佐伯くんと直江くんで他愛もない話をしていた。
「あ、御免、先行っておいてくれる?」
「ん?おう、早く来いよ。」
部室がもうすぐそこ、と言うところで直江くんはそう言って行ってしまった。
直江くんが向かった先を見てみると、雪乃先輩の姿があった。
「何で雪乃先輩が…」
「あれ七瀬知らなかったのか?あの2人付き合ってるんだよ。」
「えっ⁉︎嘘っ、知らなかったぁ…」
そんな、いつの間に…。
そう思いながらあたしは冷静に、
そう言えばこの学校の卒業式、卒業生が出席しても良いんだっけ、と
仲良く喋っている直江くんと雪乃先輩の姿を見ながら考えていた。