貴方の事を奪いに来たの。


「え、ねぇ、いつから?」

「んー、確か服部先輩が引退するちょっと前だったと思うけど。」







え、そんな前から…⁉︎

全く何も気付かなかった…

もしかして知らなかったのってあたしだけとか…?

そんな事を1人で悶々と考えながら遠目の2人をガン見していると

佐伯くんは呆れた声で、行くぞ、と言った。

あたしはその言葉を聞いて2人を横目で見ながら

佐伯くんと部室に向かった。



部室に着き、部長である佐伯くんを先頭に部室に入れば

後輩の子達がお祝いの言葉をくれた。

百合さぁぁぁぁぁん、と言って泣いてくれた1年生も居た。

1年生は皆真面目であたしの事もよく慕ってくれていた。

頑張ってね、と告げると、また遊びに来てください!と

真剣な眼差しで言われた為、笑顔で頷いた。

少ししてから直江くんが来た為、

皆直江くんの方に行ってしまった。


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