貴方の事を奪いに来たの。
「龍之介くん、部活…頑張ってる?」
「え?あ、はい…」
少し微笑みながら言う彼に
そっか、これからも頑張ってね。と言うと
ありがとうございます、とお礼を言われた。
もう龍之介くんの練習姿が見れないと思うと
悲しくてうまく笑えない。
また…部活見に来てもいいかな…
別に龍之介くんの許可がいらないのは分かっている。
でももし龍之介くんに来てくださいって言ってもらえたら
どれだけ嬉しいだろうか…
「あのね、龍之介くん。」
「何でしょう。」
「また……部活に顔出しても…いいかな…?」
あたしは途切れ途切れになりながらも
勇気を振り絞って声に出す。