貴方の事を奪いに来たの。
大学1回生
ーーー秋。
大学生になってもうすぐで半年になる。
本当は大学に入って直ぐの頃、
部活に顔を出すか迷ったが、卒業してすぐに行ったら
下心みえみえかな、と思い先送りにしたら
授業の都合やバイトで行けず仕舞いになっていた。
しかし、今日は授業も3限で終わり、
バイトも休みなので少しだけ部活に顔を出してみる事にした。
まだ卒業して半年くらいなのに
校門の前に立ってみれば懐かしさが込み上げてくる。
何か、入るの緊張するなぁ…
大学終わりで来た為、私服なので学校に入ってしまえば嫌でも目立つ。
でもここまで来て帰るのなんて…と勇気を出して校内に足を踏み入れる。
出来るだけ人に会わないように、と足早でグラウンドに向かった。
「あれっ⁉︎百合さん⁉︎」
「久しぶりー!」
ストレッチをしていた1年生…
いや、2年生があたしを見つけて声を上げながら、こちらに来る。
その声に反応し他の2年生の子達もあたしの周りにやって来る。