ラグタイム2号店
「返事はいつになっても構いません。

朝貴さんの答えが返ってくるまで、私…」

「――俺も」

静絵の話をさえぎるように、俺は言った。

「えっ?」

静絵が驚いた顔で俺を見つめてきた。

「俺も静絵のことが好きだ」

俺の唇から、自然に言葉がこぼれ落ちた。

最初は静絵のことを妹、年下の女友達のように思っていた。

だけど日が経つにつれて、それらとは違うものだと言うことに気づいた。

静絵が俺のことをもっと知りたいように、俺も静絵のことをもっと知りたい。

静絵が俺のことを好きなように、俺も静絵のことが好きだ。

俺の告白に、静絵はそっと指で目尻をぬぐった。
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