君の名を唄う
雨の街にて
雨の中。
傘もささずに帰路を急ぐ。
「本当に、ついてないんだから…っ」
まさかあの晴天からこんな大雨に変わるだなんて。
やっぱり日頃からお天気お姉さんの話を聞いておくべきだった。
スクールバッグを頭の上にのせたって、
降りしきる雨は容赦なく私を濡らしてゆく。
ついてない。
今日は本当についてない。
そう、思ってたんだ。
ーーあなたと出会うまでは。