君の名を唄う
6歳の私
それは、私が6歳のときの事だった。
突然の出来事だった。
「こずえちゃん、お父さんとお母さんがーーー」
その日私は、おばあちゃんの家に預けられていた。
ただならぬ空気を感じた私は、急いで病院へ向かった。
ーーーしかし。
着いた頃には、もう手遅れだった。
「お父さん、お母さんーー…」
そう、あの日は、
2人の結婚記念日だったのだ。
2人仲良く出かけていたはずなのだ。
なのに。
ーーーなのに。
レストランから出てきた2人を襲ったのは、一台の車だった。
犯人はひどく酒に酔っていたらしく、病院に搬送されたのち死亡が確認されたそうだ。
「絶対に、許さない」
犯人も、その家族も、みんなみんな。
絶対に、許さないーーー。