隣の席。
「おい〜那智〜、今日日直だろ?」
担任そう言われ日直だということに気づいた放課後。
「あ、そうです。
な、なにか……?」
「なにかじゃないだろー。
これ職員室まで運んどいてくれなー」
先生にそう言われ渡されたのはノートの山。
お、重いっ。
しかも職員室って反対側の棟だから渡り廊下渡らないとだよ…。
あそこの中庭人通りなくて通るのやなんだよなぁ。
でも凛ちゃんはバイトで帰っちゃったし、ここは行くしかないかっ!!!!
「う〜、やっぱ怖い〜」
中庭はやっぱり不気味だった。
夕暮れだからまたそれが不気味だ…。
「失礼しました〜」
なんとか職員室にノートを届けられた。
が、またあそこを通らないと…。
しかも、先生に捕まって長々と世間話をされたおかげでさっきより外は薄暗くなっていた。
もう少しで渡り廊下を渡れる瞬間、なんとなく散ってしまった桜の木をチラッとみる。
桜が咲いてた頃は中庭も今よりは怖くなかったなあ〜。
なんて呑気なことを思っていると、桜の木の影に人影らしきものがみえた。
「えっ…、嘘でしょ……幽霊?!?!」
ま、まじか。