プリテンダー
「友達…って事で、いいかな?」

「友達じゃイヤ…。もうただの友達のままじゃイヤなの…。」

「友達じゃダメ?じゃあ…どうすればいい?」

僕の一言で、渡部さんは欲望に駆られたただの雌になった。

必死で僕にしがみついて、自分から激しく唇を重ねて。

相変わらず下手くそなキスに応えてやると、渡部さんは更に欲望を剥き出しにした。

「お願い鴫野くん…。キスだけじゃやだ…。もっとして…。」


…うまくいった。


僕は心の中で高笑いしながら、期待に火照る渡部さんの体を慰めてやった。

僕の手が触れるたびに、彼女は切なげに甘い声を漏らす。


喘げ。

もっと乱れろ。

…やらしい女。

こうなる事を期待して、僕をここに呼び出したんだ。


後々厄介な事になるのは避けたいから、さすがにここでは最後まで残さず食ったりはしない。

けれど、僕の指と舌で何度も果てた彼女は、満足げだった。


そこに愛もないのに、女ってわからない。




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