プリテンダー
すべてを明かす時が来た!


翌日。

僕はばあちゃんに急かされながら、よく知らない場所を歩いていた。

朝早くばあちゃんの家を出て2時間ほど電車に揺られ、そこからバスで30分、バスを降りて既に20分は歩いている。

一体どこに連れていく気なんだろう?

「ばあちゃん、どこに向かってるの?」

「いいから黙ってついておいで。もうすぐだから。」

これホントに70代半ばの高齢者の歩き方?

僕は仕方なくばあちゃんの言う通りにひたすら歩く。

それにしても、さっきから同じような塀が続いてるな。

「ずいぶん長い塀だね。」

「そりゃそうよ。」

公共施設とか、この塀の中に何か大きな建物でもあるのかな?

そう思いながら角を曲がる。

「ほら、見えてきた。」

「え?」

「そこが有澤邸の正面玄関。」

「えぇっ?!」

この長い塀に囲まれたバカでかい敷地の中にある建物は、有澤家の屋敷だったのか!!

あまりの驚きで言葉も出ない。


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