プリテンダー
夢なのか現実なのか
翌日、日曜の朝。
外は晴れて綺麗な青空が広がっている。
少し持ち直した僕は、窓の外を眺めて大きく伸びをした。
落ち込んでたって仕方ない。
布団を干して、部屋の掃除でもしよう。
そうすればこのモヤモヤした気分も、少しは晴れるかも知れない。
昨日一日中くるまっていた掛け布団を抱えてベランダに出ようと立ち上がった時、掛け布団の中から、何か小さな物がポロリと転げ落ちた。
「…ん?」
拾い上げてみると、それは光沢のある綺麗なボタン。
なんだこれ?
こんなボタンのついた服、持ってたかな?
首をかしげながらベッドの上に何気なく視線を移すと、シーツに赤っぽいシミのような物がついている事に気付く。
いつの間にこんなシミがついたんだ?
よく見たら血のようにも見えるけど。
どこかケガでもしてたっけ?
腕や足を調べてみたけれど、血が出るような傷はどこにもついていない。
一体なんの汚れだろう?
掛け布団をベランダの柵に干して、ベッドのシーツをはがした。
シーツを洗濯機に放り込んで、スタートボタンを押す。
流れ出す水の音を聞きながら、洗濯機に洗剤を投入した。