プリテンダー
あ、そうだ。
僕はポケットから取り出したボタンを手のひらに乗せて、矢野さんに差し出した。
「あのー…ところで矢野さん。これ、矢野さんのですよね?」
「ん?なんだこれ?」
矢野さんはボタンを指でつまみ上げてじっと眺めた。
「いや、俺のじゃないよ。ってか、どう見てもこれ、女物だろ?」
「え?そうですか?」
「男のワイシャツに、こんな光沢のある凝ったデザインのボタンついてると思うか?見覚えある気がすんだけどなぁ…。どこで見たんだっけ?」
女物って事は、美玖のものかな?
いや、だけどこれを見つけた時より前に布団をめくった時にはなかったはずだ。
「どうした、これ?」
「日曜日、僕の部屋で拾ったんです。だから矢野さんが金曜の夜に僕を送ってくれた時に落として行ったのかなーって。」
矢野さんはコーヒーを飲む手を止めた。
「俺は送ってないぞ。あん時おまえを送ったのは杏さんだ。」
「えっ…?」
「ああ、なんか見覚えあると思った。それ杏さんが金曜日に着てたブラウスのボタンだよ。飲みに行った時、ピカピカ光ってやけに目についたんだ。」
僕はポケットから取り出したボタンを手のひらに乗せて、矢野さんに差し出した。
「あのー…ところで矢野さん。これ、矢野さんのですよね?」
「ん?なんだこれ?」
矢野さんはボタンを指でつまみ上げてじっと眺めた。
「いや、俺のじゃないよ。ってか、どう見てもこれ、女物だろ?」
「え?そうですか?」
「男のワイシャツに、こんな光沢のある凝ったデザインのボタンついてると思うか?見覚えある気がすんだけどなぁ…。どこで見たんだっけ?」
女物って事は、美玖のものかな?
いや、だけどこれを見つけた時より前に布団をめくった時にはなかったはずだ。
「どうした、これ?」
「日曜日、僕の部屋で拾ったんです。だから矢野さんが金曜の夜に僕を送ってくれた時に落として行ったのかなーって。」
矢野さんはコーヒーを飲む手を止めた。
「俺は送ってないぞ。あん時おまえを送ったのは杏さんだ。」
「えっ…?」
「ああ、なんか見覚えあると思った。それ杏さんが金曜日に着てたブラウスのボタンだよ。飲みに行った時、ピカピカ光ってやけに目についたんだ。」