プリテンダー
昼休み。

熱いお茶を淹れてデスクに戻ると、白衣のポケットの中でスマホが震えた。

椅子に座ってスマホをポケットから取り出し、画面を開く。

付き合って2年になる彼女、美玖(ミク)からのメールだ。


【残業で遅くなるから今日は会えない】


…短いな。

しかもそっけない。

2年も付き合ってるとそんなものか?

確かこの前もその前も、そんな理由で会えなかった。

あれ?

いつから会ってないんだっけ?

しばらく会ってないし、そう言えば最近はメールとか電話も減った。

と言うか…全然ないような…。

なんとなく不安になってきた。


【仕事忙しいの?】


弁当を広げながらメールを送ると、すぐに返信が届いた。


【うん、だからしばらく会う余裕ないかも。】


しばらくってどれくらい?と聞き返そうかと思ったけれど、信用してないのかと言われそうで、やめる。

なんか美玖の気に障るような事したっけ?

そんなはずはないと思うんだけどな。

仕事と言われたら、それを信じるしかない。



【わかった。じゃあ仕事落ち着いたらまた連絡して。】






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