血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
『…次は〜おにがわら〜鬼河原〜…』
車掌さんのアナウンス。
「…あっ、ごめん!次で降りるの!用意して!」
彼女はあわてて、座席を立つと上に置いていた大きめのバッグや紙袋を引きずりおろした。
「へ?ああ…わかった…。」
あたしの、荷物といったら少ないもので、一泊用くらいのボストンバッグをおろすくらい。
たいした時間はかからない。
貴重品はちいさなポシェットにいれて手元においてたし。
「あれっ…やだ切符!どこに入れたっけ??」
「………。」
こうゆう時。
あたしは、一瞬、目が点になる…。



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