血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
「明子さん...。無くしやすいから...って、あたしに預けてたよ?」
「あ。」
彼女は、顔を赤くして、こう言った。
「...ありがとう。」
とても小さな声。
明子さんは、きれいで可愛い。
あんまり、おかあさんって感じは正直しないんだ。
離れて暮らす時間の方が多かったしね。
(...ほんと天然だなあ...この人。)
友達みたいな、姉妹みたいな。
他人からみたら変な親子に見えるかもしれない。
「カナ。」
列車は目的の駅に到着した。
「先に行くよ。」
明子さんは、お気に入りのブランドの大きめサングラスをかけていた。
さっきの雰囲気は、ひきずらず、背筋はのびて、なんだかかっこいい。
(...ぼろぼろのジーンズに、真っ白のTシャツ。シルバーのごつめアクセサリー...。あーゆー服が娘より似合う母ってどうなのよ...)






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