血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
「恵…カナちゃん?」
おばあちゃんは、あたしが想像していたより、ずっと若い人だった。
おばあさんっていうより、おばさんって感じ。
まあね。まだ年金生活で余生をおくってるってわけじゃないから、当然か。
髪はきれいな明るいブラウンに染めていて、ミディアムくらいの長さ。
きれいに細かいパーマをかけてる。
ちょっぴりふっくらした体型で、あんまり…明子さんとは似ていない。
(あの人が…おばあちゃん…)
「お母さん、遅いよ!」
(え。)
明子さんは、ずけずけと車に乗り込む。
助手席を先にとられてしまったので、あたしは後ろに乗るしかなかった。
「恵…あいかわらずねえ…。」
くすくす笑うおばあちゃんは、すごく優しそうな人だ。
「あなたが、カナちゃんね。」
「あの…お世話になります。」
あたしは、なんだかいたたまれない気持ちになる。
「カナちゃん!そんな他人行儀にしなくていいのよ?身内なんだから。」
「あ。はい…。」
(そう言われてもさ…)
とりあえず、子供らしい愛想笑いでごまかした。








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