血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
「はぁっ...は...っ...」

全力で駆け上がると、さすがに息切れがする。
でも、ここまできたかいがあったよ。
赤い鳥居を超えて、見上げた景色。
二匹の狛犬がむかえてくれる。
秘めやかな神社の庭の、冷たい空気。
「やっぱり...」
そこには、とても立派な桜の大木が、どっしりと存在を主張していて。
一足早く、満開の桜の花々を咲かせていた。




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