血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
「また、会えるかな。桜…。」
あたしは、ひとりつぶやいた。
カーテンを開ける。
まぶしすぎる太陽の、明るい光が、部屋を、満たす。
かつて、明子さんが使っていた、この部屋。
だんだん、あたしの色に染まる。

桜。

きっとまた、出会える気がする…。


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