血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
会いたいな...。
「......さん?」
もう一度、会いたい...。
「...あなた、荻原カナさん、でしょ?」
「...へ?」
ぼうっと、感傷的な思い出に浸っていたあたしに、涼やかに、鈴を鳴らすような声。
名前を呼ばれた。
はっとして振り返ると、そこには。

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