血を喰らう鬼は赤く染まる桜。
だから。
めずらしく、人見知りのあたしが、自分から声を、かけたりした。
「あの…桜木さん。」
たどたどしく、言葉を交わす。
「…しおのって、名前で呼んでいいわ。」
そういって、優しく微笑み視線をむけてくれる。
大人びた彼女の事を。
あたしは。




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