すべてが思い出になる前に
友理奈は倒れこんだ男2人に声をかけた。
「まだやる?」
男二人組は恐怖を覚え急いで逃げて行き、その場に立ち尽くしていた友理奈は、しゃがみ込んでしまった。
「涼太達来てたんだ」
茜が目の前にいた涼太と翼に気付き、3人で友理奈のそばに駆け寄った。
「相変わらず無茶するなよ…。大丈夫?立てるか?」
顔を上げた友理奈は、手を差し伸べた涼太、翼と茜の心配そうな顔を見て、あれだけのことをしたにも関わらず怯えた声で話す。
『こっ怖かった…』
「もう大丈夫だから」
涼太の手をとった友理奈は立ち上がり、ニコッといつもの笑顔に戻った。