すべてが思い出になる前に
学食へ移動して、定食の列に並び好きなおかずをトレーにのせていった。
「最近どう?研究は進んでる?」
「まぁボチボチってところかな…」
「確か、医薬品の副作用と安全性についてだったよね」
「そうそう、富永はどうなんだよ」
「私はちょっと行き詰まってるところかな」
定食を持ち、席について食べ始める。
「そう言えば、私の研究チームが宮﨑君のことを”将来のエース”だって言ってたよ」
「えっ…そんなことないよ」
「すごい期待されてるんだなと思って‼︎」
「逆に凄いプレッシャーになるよ、ただ俺はやりたい研究をしてるだけだよ」
富永はそうなんだと、終始笑顔で涼太に話しかけていた。