すべてが思い出になる前に
「友理奈ったら走って行っちゃうから、もう心配したよ…」
「ごめん茜」
「茜を心配させんなよ」
「だからごめんって!」
「化け物だな」
「涼太、今なんか言った?」
「えっ、いやなんでもないです」
堤 友理奈(つつみゆりな)とは、3歳からの幼馴染で中学まではずっと一緒だった。
天真爛漫で底抜けに明るく、眩しすぎる笑顔で見るものを魅了する。
周りをほっこりした雰囲気にする友理奈は男女共に人気者だった。
可愛い顔して運動神経だけは良く、小さい頃はいつもサッカーしたり野球したりと、男子と混ざって遊んでいた。
翼と茜は小学校からの幼馴染である。