すべてが思い出になる前に





買い足した物をテーブルに並べて、真っ先につまみを口にする翼に思わず



「アルバム汚すなよ」


「分かってるって‼」



絶対分かっていないと思いながら、ビールの蓋をカチャっと開けて飲み始めた。



「おっ友理奈いた‼やっぱり笑顔がいいよな~」


「涼太、友理奈と連絡取ってるのか?」


「してない。高校卒業してから一度も会ってない」


「なんだよ、つまんねーな」



翼と照史は溜め息をつきながら、アルバムのページを捲った。



「いい感じだと思ってたんだけどな…」



2人はしみじみと俺を見て言った。


そんなこと今更言われてもな…





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