すべてが思い出になる前に
缶ビールを開けて一口飲んだ後、テーブルに置いた照史が真剣な面持ちで2人に話しかけた。
「2人に報告があるんだけど…」
「なんだよ」
「あのさ俺、結婚するから」
”結婚”という言葉を聞いて、涼太の思考がパタリと止まった。
隣にいた翼はというと驚きのあまり、持っていた缶ビールを膝に零してしまった。
「何やってんだよ‼︎」
涼太はキッチンからタオルを持ってきて、翼が零したビールの処理をすることになった。
「まぁ取り敢えず、よかったな、おめでとう‼︎」
「ありがとう」
涼太と照史が話しているの間、翼はズボンを脱ぎパンツ一丁で彷徨っていた。見るに見かねた涼太は翼を口頭で誘導した。