すべてが思い出になる前に




「そっか、怪我したのか…。そんな実力があったのなら、もし怪我さえなければプロになれたのかもな」


「高校の時に1度怪我をして、大学で2度目だったので、医者にもこれ以上続けるなと止められました」


「何か聞いて悪かったな」


「いいえ、そんな事ないです」



気まずい雰囲気にさせてしまったが、本当の事を言ったまでだ。


素直に答えていたが、落ち込む様子もなく淡々と話す涼太に同期の富永は心配そうに見ていた。



「私が余計な事言ったせいで…」


「何で富永が謝るんだよ⁈もう昔の話だし、気にすんな‼︎」



涼太は笑顔で富永の頭をポンポンと叩いた。





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