すべてが思い出になる前に
翌日、涼太はリビングのカーテンを勢いよく開けた。
眩しい日差しがリビング中にサンサンと入って来る。
その日差しで目を覚ました翼は、布団がかけられていたことに気付き、周りを見渡した。
「涼太、帰ってたのか」
「まだ寝てていいぞ、あと少しで俺は出て行くけど。昨日何時から待ってたのか?」
「20時過ぎ頃からかな、急に眠くなっていつの間にか寝てしまった」
「3時間近く待ってたのか。夏だからまぁよかったよ。冬だったら、凍って死んでたかもしれないな」
ちゃんと前もって連絡しろと翼に念を押した。
バタバタと洗濯物を干して、キッチンで目玉焼きを作り始めた。