すべてが思い出になる前に
「翼は朝食食べるか?目玉焼きとコーヒーなら用意できるけど」
「いる!」
「相変わらず、食欲はあるんだな」
ボソッと涼太は呟きながら、目玉焼きに塩胡椒を振った。
翼の朝食をテーブルに置いて、涼太は立ったままコーヒーを飲んだ。
「味付けに文句があるなら、醤油とかここにあるから自分で調節して‼︎あと家の合鍵を置いておくから、出る時は閉めてポストに入れといて‼︎」
そう言い残し、涼太は黒いリュックを背負い玄関を出て行った。