すべてが思い出になる前に
研究室へ向かう途中、ロッカーに自分の荷物を置いていると鴨川がやって来た。
「おはよう、今日さ空いてる?」
「何だよ急に⁉︎」
「合コンあるんだけど人数足りないんだよね」
「俺は行かない」
「まだ最後まで言ってないぞ‼︎今日は結構レベル高いらしい」
「へぇ、そうなんだ。全く興味ないから、頑張ってこいよ‼︎」
「確認なんだけど、宮﨑って彼女いたよな?」
「いつの話だよ、とっくの昔に別れたよ」
「ならいいじゃん!」
「今はいいや、そんな気になれないんだ」
バンッと力強くロッカーを閉めた涼太は歩きながら白衣を羽織り研究室へ入って行った。