すべてが思い出になる前に




「鴨川おはよう、どうしたの?」



エレベータから降りて来た富永が声をかけて来た。



「なぁ宮﨑って彼女と別れてたのか?」


「噂で聞いたけど、そうみたいよ。もしかして本人にその話したの?」


「合コン誘ってみたら断られたんだよ」


「そうなんだ。合コンとか行かなくてもあのルックスならモテるでしょ。まぁどんな別れ方をしたのか知らないけど、元カノの事が忘れられないとか?男性っていつまでもズルズルと引きづるっていうじゃない?」


「まぁ、そうかもな」



富永に話しを簡潔にまとめられた鴨川だったが、研究室で黙々と実験をしている涼太の様子をジッと見てそんな風には見えない事に、また違う疑問を抱く富永であった。






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