すべてが思い出になる前に




夜の21:00を回り、涼太は誰もいない研究室に残って片付けをしているとガチャっと扉が開いた。入って来たのは同期の富永だった。



「宮﨑くん、まだいたの?」


「もう帰るよ。友達が家に泊まってて、何するか分からないからさ」


「それって女の子?」


「そんなわけ無いだろ‼︎一緒にテニスをしてた幼馴染のやつなんだ」


「幼馴染と未だに仲良くしてるなんて凄いわね。私なんか縁が無かったのか、会っても挨拶すらしないもんね。どこでどう違ったのか、よく分からなくて…」



幼馴染だからといって、仲良くなるとは限らないんだな。そうだとすると、とても恵まれた環境だったのかもしれない。





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