すべてが思い出になる前に





「へぇ、そうなのか。生八ツ橋…覚えてたら買ってくるよ」


「ちゃんと覚えててよ‼︎」


「はいはい」



涼太と富永の会話を側で聞いていた先輩の松藤さんがクスクスと笑い始めた。



「松藤さん、どうしたんですか?」


「夫婦漫才かって‼︎」



えっ夫婦漫才って何だよ⁉︎


涼太と富永は目を合わせては、苦笑いをしながら首を傾げていた。


同期ということもあり、仲は良いが完全に割り切っている為、全く意識した事はない。


鴨川も便乗して話に乗ってくる。



「学会には俺もついて行くから大丈夫だって!」


「鴨川が心配だから宮﨑くんに頼んだのよ」


「なぁ富永、俺だけにキツくない?宮﨑と全然違うんだけど」



鴨川は軽く拗ね始めていた。





< 136 / 369 >

この作品をシェア

pagetop