すべてが思い出になる前に




「取り敢えず、一度その名刺の彼に連絡してみたらどうですか?8年も会ってなかったのなら、尚更きっと昔話で会話が弾みますよ!」


「そうかな…」



元倉が立ち上がり去っていく中、友理奈は名刺を見てポツリと呟いた。



「後で連絡してみようかな…」



持っていた名刺を胸ポケットにしまい、コーヒーを飲み干して休憩を切り上げた。





一方、涼太は京都に到着しホテルにチェックインしていた。


ルームキーで部屋を開けて、スーツケースを通路に置いて上着を脱いだ。



「暑っち〜‼︎」



真夏は過ぎたとはいい、まだまだ残暑が続いついたのもあり、思わず右手でネクタイを緩めた。


ポケットから携帯を取り出して画面を見たが、友理奈からメールは来ておらず、涼太はベッドにバタッと上半身から倒れた。





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