すべてが思い出になる前に
この瞬間に何かを悟ったのかも知れない。えっ?と疑うような表情を見せる友理奈。
両親とも話し合い「これ以上続けると学校に迷惑をかけることになる」と、プロテニスプレーヤーの道を断念したことを友理奈に伝えた。
ただただ言葉を失う友理奈に、涼太は笑いかけた。
「何で友理奈が落ち込むんだよ‼︎別にテニスを嫌いになった訳じゃないし」
「そっか…残念だな〜。またいつか翼と2人でテニスをしてるところ見たいな。あっ、みんな元気にしてる?」
友理奈はチーズケーキにフォークを刺して美味しいと呟きながら食べ始めた。