すべてが思い出になる前に
照史が今の奥さんと付き合い始めた頃から結婚しそうだと、友理奈は言い当てていたのをふと思い出した。
女の勘、恐るべし‼︎
「照史が結婚かぁ〜、もうそんな歳になったんだね」
「そうだな」
友理奈はふふっと笑い、いつもの笑顔に戻っていた。
自然と相手を笑顔にさせる太陽みたいな存在なのは、今でも何も変わっていなかった。
「ねぇ、涼太は彼女とかいないの?」
「何だよ急に。研究室にこもってるから、出会いなんてないよ」
「へぇ〜」
「へぇ〜って、そういう友理奈はどうなんだよ⁈」
「学生時代から付き合っている人がいるの‼︎」
友理奈にはこういう恋愛絡みの話を聞いたことがなかった。幼馴染だが知らない事だらけだ。