すべてが思い出になる前に
「大丈夫だよ」
「あんま無茶すんなよ‼︎」
マシーンに片手を置いた照史は、涼太の異変に気付いた。
「今日はよく喋るんだな」
「なんだよそれ‼︎いつもと変わんねーよ」
やめろよと目を細めて笑う涼太の笑顔を見て、照史は安堵の笑みを浮かべた。
「そういえば、友理奈に会ったよ」
「まぢか‼︎元気そうだった?」
「相変わらずだったよ。照史が結婚するっていったらびっくりしてた」
「あれ、手紙送ったんだけどな」
「なんか実家にあるかもって言ってた。結婚式を楽しみに仕事頑張るってさ」
「友理奈らしいな」
懐かしさを覚える照史に対して、涼太はまた寝そべり筋トレを再開した。