すべてが思い出になる前に
「8年ぶりに会ったのに、全然久々な感じがしないよね」
「確かにそうかも‼︎」
茜は腕を組み、少し不思議な気持ちがしていた。
「あれ、涼太は?」
「それが連絡がないの」
友理奈は眉間にしわを寄せた。
「こういう肝心な時に涼太は遅れてくるんだよね」
「でも何故か許される、それってイケメンの特権よね」
「いいな〜。俺もその特権欲しい‼︎」
茜と翼は苦笑いを浮かべていた。
その頃涼太は、電車を降りた瞬間に携帯を見て、何件も翼から着信が来ていたことを知った。
「すげー鬼電…」
時間も時間で走って式場へ向かっていた。