すべてが思い出になる前に
挙式が始まる10分前、涼太が息を上げながらやって来た。
涼太が来たことに気づいた茜達は、手招きをした。
「もー遅いよ‼︎」
「おせーよ涼太‼︎」
「わりー」
涼太は茜の隣に座り、同じ列には友理奈も座っていた。
「よ!」
「おぅ!」
友理奈は小さく手を上げ、涼太も反射的に手を上げた。
挙式が始まり、新郎の照史が入場した。
「めっちゃ緊張してる‼︎」
クスクスと小さく笑っていると、続いて新婦が入場して来た。
白のウエディングドレスがキラキラと一際輝いていた。
「綺麗だね…」
友理奈がポロっと呟き、涼太も思わず友理奈の方に振り向いた。