すべてが思い出になる前に





新郎新婦が並んで愛の誓いを立てている姿を遠目で見ていて、涼太は改めて深く考えていた。



結婚とは『人生で最大の決断』だと思う。


25歳と若くして結婚するという決断力がある照史を誇らしく思った。


自分があの場所にいる想像が今は全くつかない。


いつか自分もあの場所に立つ事が出来るのだろうか。


目の前の事でいっぱいいっぱいの状態では、何も変わらない気がする。



ボーッとしている涼太に気付いた翼は肩を叩いた。


写真を撮りまくる茜に対し、後で「送って」と頼む友理奈。



「あっ俺も欲しい頂戴‼︎」


「OK‼︎」



新郎新婦が退場した後に、参列者は階段の側に立って新郎新婦の花道を作ってスタンバイをしていた。





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