すべてが思い出になる前に
二次会を終えてお店を出た後の帰り道。
茜と翼、涼太と友理奈のペアで2列に並んで駅まで歩いていた。
涼太は披露宴後にもらった紙袋の中に白いブーケを入れていたことを思い出した。
「あっ!」
思い立った涼太は、隣で歩いている友理奈に声をかけた。
「友理奈、あのさ…。幸せのお裾分けだと思って、ブーケ貰ってよ」
涼太の声を聞いて耳を疑う茜と翼は、思わず後ろを振り返った。
「いいの?貰っても」
予期せぬ事態に友理奈も目をパチパチさせて驚いていた。