すべてが思い出になる前に
「何で分かるの?」
「それは簡単ですよ、お肌を見れば一目瞭然です‼︎」
「えっ肌?」
自信満々に語る元倉に言われて、思わず両手で頬を挟む友理奈。見兼ねた元倉はニコッとした笑顔になる。
「今日のシフトが終わった後、久々にご飯行きませんか?たまには息抜きも必要ですよ⁉︎」
「息抜きかぁ…」
一方、涼太は大学の研究室にこもり、細胞が入っているプレパラートを顕微鏡で見ていた。
そこに鴨川と富永が話しながら研究室に入って来た。
「また1人友達が結婚しちゃったの、しかもデキ婚よ‼︎」
「でも25歳だろ?今のこのご時世で別に珍しい話でもないだろ。それに今から結婚する人が段々増えてくる時期でもあるしさ」
富永が必死に鴨川に気持ちをぶつけていた。