すべてが思い出になる前に
鴨川と富永が涼太の側に近づいて来る。
「ねぇ宮﨑くん、誰か結婚するっていう友達とかもういる?」
顕微鏡を見ていた頭を上げ、2人の方に振り向いた。
「つい最近、幼馴染が結婚した」
「そうなんだ。私、結婚式でブーケをキャッチしてみたいな〜‼︎」
「あれは絶対無理だろ、ドラマの見過ぎ‼︎」
「そうかな…、私バレーボールしてたからジャンプ力には自信があるんだけど‼︎」
2人の話を聞いていた涼太は再び顕微鏡を覗きながら
「俺、ブーケ取ったよ」
涼太のまさかの一言に、口をぽかんと開ける2人。
「えっ、どういう事?宮﨑がブーケを取った⁈」
オドオドする鴨川に見るに見兼ねた涼太は、その場を立ち上がった。