すべてが思い出になる前に




鴨川と富永が涼太の側に近づいて来る。



「ねぇ宮﨑くん、誰か結婚するっていう友達とかもういる?」



顕微鏡を見ていた頭を上げ、2人の方に振り向いた。



「つい最近、幼馴染が結婚した」


「そうなんだ。私、結婚式でブーケをキャッチしてみたいな〜‼︎」


「あれは絶対無理だろ、ドラマの見過ぎ‼︎」


「そうかな…、私バレーボールしてたからジャンプ力には自信があるんだけど‼︎」



2人の話を聞いていた涼太は再び顕微鏡を覗きながら



「俺、ブーケ取ったよ」



涼太のまさかの一言に、口をぽかんと開ける2人。



「えっ、どういう事?宮﨑がブーケを取った⁈」


オドオドする鴨川に見るに見兼ねた涼太は、その場を立ち上がった。





< 186 / 369 >

この作品をシェア

pagetop