すべてが思い出になる前に
仕事を終えた友理奈は元倉と2人で、空港付近の居酒屋へ。
「職場から近いと、知ってる人が必ずいるから嫌なんだよね〜」
「でも同職だからこそ、出会いが広がるんですよ!」
元倉には彼氏がいないということもあり、いつも良い男性がいないかキョロキョロと探している、いわゆる肉食系女子だ。
「いいですよね、彼氏がいるってだけで心に余裕があるというか…」
「余裕ねぇ…」
意味深な余韻を残す友理奈だったが、つまみの枝豆に手を伸ばした時だった。
元倉の視線がカウンターの方へ向けられていた。