すべてが思い出になる前に
「どうかした?お目当のイケメンでもいたの?」
「あそこです‼︎あのカウンターの右端にいる人、雰囲気イケメンぽくないですか?」
視線を友理奈の方に戻した元倉は、興奮気味に指をさして説明した。
丁度いいところで生ビールが運ばれて来て、中ジョッキを持ち上げ乾杯をした。
「お疲れ様、カンパーイ♪」
一口飲んで、テーブルにジョッキを置いた。
「歩実ちゃんは明日休みよね?」
「はい、なので今日はぱーっと飲みましょ‼︎」
「ずるい、私も休みがいい…」
いじける友理奈は、また一口生ビールを飲んでテーブルに置く。
「ねぇ、歩実ちゃんに相談があるんだけど」
「何ですか?」
他人に相談をするのは珍しく、元倉も耳を傾ける。