すべてが思い出になる前に
カーテンから漏れる太陽の光が、燦々と部屋の中を明るくする。
壁に掛けられたカレンダーは、4月のページ。
携帯と目覚まし時計が5:00丁度になると同時に鳴り響き、一つずつ止めてムクッと起き上がる友理奈は右の頭を抑えた。
「頭痛いな…」
台所で頭痛薬を飲み、右脳がズキズキして視線を落とす友理奈は、何故頭痛がするのか考えていた。
最近、外食する時にアルコールを飲む機会が増えて二日酔い状態が続いているのか、またや低気圧のせいなのか。
職場に着いて搭乗口の前で出発ゲート業務を行っている頃には、頭痛はいつの間にかしなくなっていた。朝起きてすぐに飲んだから薬が効いたのだろう。