すべてが思い出になる前に
元倉から集中攻撃を受けつつも冷静さを取り戻した友理奈は、昔のことを思い出してしまい、思わず赤面してしまった。
しかも元倉に諭され、動揺してしまう姿を見られるし、今日はなんかついてない。
「いやいや、まさか…」
そんなことあるはずない、そんなこと…と何度も自分に言い聞かせた。
ブーブーブー♪とマナーモードにしていた携帯がポケットの中で鳴り始め、画面を見ると照史から着信が来ていた。
一度カフェを出て側壁に背を付けた友理奈はすぐに電話に出た。
「もしもし、照史?」
「あ、友理奈?ごめんいきなり電話して。今大丈夫?」