すべてが思い出になる前に
「照史からの伝言なんだけど、みんなでバーベキューしないかって」
「バーベキュー⁈いつ?」
「来週か再来週の土日で空いてない?」
「ちょっと待って‼︎」
涼太は白衣のポケットから手帳を出して、スケジュールを確認し始めた。
「大丈夫、行けそうだよ。他に誰が来るの?」
「照史夫婦と翼、友理奈と私かな?いつものメンバーだよ」
「分かった、じゃあな‼︎」
電話を切った涼太は、携帯と手帳を白衣のポケットに入れて医局に戻った。
「遅かったな、借りてたお金ありがとう」
「あぁ、食べたらすぐに研究するぞ」
「やけに気合い入ってるな…」
涼太はパンを食いちぎり、缶コーヒーを飲み干した。