すべてが思い出になる前に
友理奈がお肉を焼くのを恐る恐る隣で見ていた涼太は、居ても立っても居られなくなり
「熱っつ‼︎」
網から後退りした友理奈に、涼太は友理奈からトングを奪った。
「俺がするから」
そう言ってどんどんお肉や野菜を焼き始めた。
その姿を見ていた茜はクスクス笑いだす。
「何だよ」
「涼太って海の家で焼きそば焼いてそうだね」
「何言ってんだよ⁉︎それって肌が少し黒いからだろ?」
茜と涼太の掛け合いに友理奈もお腹を抑えて笑い出した。
「確かにそうかもね、でも肌が黒いのはテニスしてたからしょうがないよ」
「何か全然フォローになってない」
涼太は苦笑いをしながらひたすらお肉を焼いていた。