すべてが思い出になる前に





「それより翼はどこに行ったんだよ、遊んでないで少しは手伝えよ‼︎」


「ごめんて、そう怒るなって。ほら、お肉あげるからさ‼︎」



翼は取り分け皿から箸でお肉を掴み、涼太の口に入れて思わず「めっちゃ美味しい…」と言葉を零した。



ひたすらお肉と野菜を食べた後、照史達はバレーしたり、水遊びをして遊んでいた。


涼太はふと周りを見渡すと、側にいたはずの友理奈の姿がなかった。


友理奈はバーベキューの近くの砂浜に転がっていた樹木に座って、穏やかな海を眺めていた。


友理奈を見つけた涼太は近くまで歩み寄った。



「どうしたんだよ、急にいなくなったから探したよ」


「こうやって海風に吹かれながら考え事してたの」





< 225 / 369 >

この作品をシェア

pagetop