すべてが思い出になる前に
家に戻った友理奈は寝室に一直線、ベッドに前から倒れこんだ。
今日、砂浜で涼太に言われた一言を思い返していた。
【友理奈は全然しっかりなんかしてねーよ。不審者に飛び膝蹴り食らわしたり、何も言わずに留学して携帯無くすわ、また目の前に現れたり…。何なんだよ…】
頭を抱えていた涼太を見ると辛くなった。何も言い返せなかった。
どうしてこういう気持ちになるんだろう。胸がキリキリする。
こんなに自分の事を見てくれる人、考えてくれる人はそうそういない。
もっと大切にしたい。
大切にしたいからこそ、今の関係を壊してしまいそうになる。